〔Q〕茶碗蒸しに餅が入ったお雑煮があると聞きました。そのお雑煮はどこの地域のものでしょうか?
また、どうして茶碗蒸しの中に餅を入れて食べるようになったのでしょうか?
〔A〕『日本全国お雑煮レシピ』 には、「福岡県朝倉市の一部地域で食べられている茶碗蒸しタイプの蒸し雑煮です。
秋月黒田藩のお武家さんたちが長崎の警固のお役目で茶碗蒸しの存在を知り、それを持ち帰って、正月というとびっきりのハレの日に食べる雑煮として餅を加えて食べるようになったようです」と記載されています。
また、『お雑煮マニアックス』にも「福岡県の中心に位置する朝倉市、筑前町、東峰村の一部地域。江戸時代に福岡藩は長崎警備に当たっていたため、中国伝来の卓袱料理にいち早く触れるチャンスがありました。茶碗蒸しもその一つです。しかも藩主の黒田氏は飢餓対策として養鶏を奨励。こういった背景から貴重な卵が手に入り、正月は茶碗蒸しに餅を入れて祝ったのではないでしょうか」という類似した内容の記載がありました。
インターネット上にも、お雑煮研究所の「ご当地雑煮」や文化庁「全国各地の100年フード」のページなどに説明の記述があります。
◎参考資料
・『日本全国お雑煮レシピ』 粕谷浩子/著 池田書店 2022年 <596.2> (64頁)
・『お雑煮マニアックス』 粕谷浩子/著 プレジデント社 2016年 <383.8> (79頁)
・お雑煮研究所「ご当地雑煮」 https://www.zouni.jp/mushizouni1/ (2024年12月26日)
・文化庁「全国各地の100年フード」https://foodculture2021.go.jp/jirei/?area=kyushu#jirei-contents (2024年12月26日)
・福岡県朝倉市「【ご当地グルメ】「筑前朝倉蒸し雑煮」を食べよう!!」
https://www.city.asakura.lg.jp/www/contents/1482907126268/index.html (2024年12月26日)
・「筑前朝倉蒸し雑煮」 https://mushizouni.jp (2024年12月26日)